1998年の冬、私はカナダのオンタリオ州で、自然災害であるアイスストームを体験しました。
オンタリオ州や私の大学のあるケベック州の冬は西海岸側に比べて気温が低く、鼻の穴の中が凍るほど、外の空気は冷たいです。
ちょうど今ごろ、1月だったかな。
最初は、「雨が降ってるな~、もうすぐ雪に変わるかな~」くらいな気持ちでいたけれど、周りは段々と凍り付いていき、これは危険!という状態に。
このアイスストームは私にとって、雪や氷の怖さを身をもって体験した機会にもなりました。
今日はその当時のことを書きます。
でもその前に、今年元旦に能登半島で起きた地震のこと。本当に切なく、痛ましいです。
今、この寒い中、被災を受けてしまった地域の方たちのことを思うと胸が張り裂けそうになります。
まずは、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
一日でも早く元の生活が戻ることを心よりお祈りしております。
アイスストームってなに?
アイスストーム(ice storm)を辞書 Weblioで調べてみたところ、以下のような記述を発見しました。
でもこれだけじゃ何のことか、きっと全然わかりませんよね。
日本では地震が多いけれど、アイスストームってあまり聞かないような。
カナダでは時々画像のような氷の自然現象が起きます。私の知り合いのカナダ人によると、起きる頻度は8~10年に一度だとか。
アイスストームの特徴は、単に凍てつく氷に見舞われることだけではなく、雨氷(freezing rain)がありとあらゆるものに付着し、最低でも 6.4mm の氷がその表面に蓄積されてしまうこと。
雨氷(うひょう)を伴う暴風が起こり、周りのもの全てが氷で覆われ、辺り一面まっ白になります。
アイスストームの時に外出することは危険すぎて、できません。
町は真っ暗。停電で水も出ない。調理はキャンプ用品を使って
私は当時、カナダ人の友人と一緒にいて、その友人の出身地であるオンタリオ州キングストンに遊びに行っていました。
町中、どこもかしこも停電で水も出ない状態。スーパーなども、停電になってるからもちろん真っ暗だし、冷蔵庫は利かなくなってるし、食べ物も確保するのが難しかったことを覚えています。
とても不安でしたが、幸い私は友人の実家に滞在させてもらうことができました。
友人のお姉さん家族など、親戚もみんな集まって、一緒に寝泊まり。
ものすごく寒かったのですが、友人のご両親が暖炉の薪に火をつけてくれて、みんなで暖を取りました。
本当に本当にありがたいと思いました。
食料については、備蓄してあった缶詰やクラッカー・ビスケット類、ミネラルウォーターなどがあったので、それをいただきました。
ガスや電気は使えませんでしたが、友人がガレージにしまってあったキャンプ用品・道具を出してきて、飯盒炊飯したり、お湯を沸かしてスープを作ったりしました。
キャンプ用品を何種類か持っておくと、このような災害時にも役に立ってとてもいいと思います。
付着した氷の重みで木が折れる
ネットで「アイスストーム」を調べるといろいろな情報が出てきますが、まさに、上の画像の通り。
木の枝の1本1本まで、そして細部にまでわたって氷が張り付くのです。
気温がなかなか上がらないため、氷もなかなか解けない。
そして、氷の重みで木が、バキバキバキバキ、バッキーンと音を立てて折れるんです!!!
私が滞在していた家の周りの至る所でそのような音が響き渡りました。
オンタリオ湖の近くで、自然に囲まれた地域だったので、木がたくさんあったんです。
最初、なんの爆音?!って思ったら木が折れる音で…もうびっくり。
うっかりその木の下を歩いていたりしたら、危ないですよね。もちろん、そんな時に歩くことはありませんでしたが。
さいごに
能登半島での地震や今回ご紹介したアイスストームなどの自然災害は、いつ起きるか予測不可能。
本当に怖いなあと思います。
実際、2023年にもカナダのケベック州やオンタリオ州ではアイスストームが起こり、地域は荒廃。
死亡者も出る深刻な被害に至ってしまったようです。
いつこのような事態になるのか予測はできませんが、でも、自分たちにできることは何かしらあるはず。
例えば、日頃から災害に備えて準備しておくこと、心構えをしっかりすること、そして、実際に災害が起きたら家族や周りの人たちと協力し、助け合うこと。
前向きな言葉を掛け合うことも大事だと思います。
私が経験したアイスストームの時も、友人やご家族に助けられながら生き延びました。
自然災害が起きるのは仕方がありません。
でも、もし起きてしまっても、被害が最低限に留まりますように。
心からそう願います。
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